今年、2018年からNISAの5年間という運用の終期が毎年到来します。
先日、相談者の方からNISAで購入した株式の売却についてご相談がありました。
NISA は一般的に長期運用を前提とした活用が謳われています。
NISAで運用できる期間は5年間で、ロールオーバーを加えれば10年間ですが、途中で売却した枠を再利用することができません。
そのためNISAでは、一般的には値動きが小さく安定して長期的に値上がりする商品で運用することが良いとされています。
例えばNISAに適しているとして勧められるのは、投資信託でしょう。
私自身、株式は銀行では取り扱えないため、NISA利用者の多くは投資信託で運用しているのではないかと考えておりました。
けれども、途中で売却した非課税枠を再利用することができないからといって、期間いっぱいに保有していないとメリットがないわけではないですよね。
利益が出なければNISAのメリットはないわけで、非課税期間中に利益が確定できれば株式の短期運用も大いにアリということになります。
株式で運用する場合は、非課税枠のキープにとらわれず、いいタイミングで売り抜ける必要があります。
そこで今回はNISAで株式を買った場合の売り方について考えてみます。
NISAで株式運用をするなら
NISAでの株式運用には次の2つのやり方が考えられます。
- 株式を買ったら、短期的な値動きは無視して長期間保有し、配当や優待を受け取りながら非課税期限いっぱいまで保有する。
- 株式を購入後、値上がりしたらすぐに利益確定して5年の非課税期間満了を待たずに短期間で売り抜ける。
今回は2番目の短期で売り抜けを目指す方法について考えていきます。
この方法は利益の出る銘柄選びが非常に大事ですので、株式投資経験があって得意な銘柄がある方に向いた方法だと言えます。
昨今の相場では、短期間で数割から数倍以上にまで値上がりする銘柄もあります。
数倍に値上がりしたとしても売却益は非課税なのですから、自信のある銘柄がある方なら投資信託で運用するよりメリットは大きいかもしれません。
ただし、短期間に激しく値上がりした株式は株価急落のリスクもありえますので、うまく利益確定をしなくてはいけませんね。
NISAで株式を運用するコツ
投資信託の場合、あまり買うタイミングを気にすることはありませんよね。
ですが、株式は割安なタイミングを見計らって買わなくてはなりませんので、いつでもいいとは限りません。
狙いをつけた銘柄を証券会社のサイトに登録するなどしてタイミングを計りましょう。
購入した銘柄が予想通り、値上がりしたら売るタイミングを計るにはチャートにくぎ付けになってしまいかねません。
そこで、逆指値のトレール注文を出しておきます。
例えば、100万円で購入した株式が200万円になったとします。
まだ値上がりしそうだけれど下がるかもしれません。
もし、まだ値上がりしていたらそのままですが、190万円になったら自動的に売るような注文をしておくのです。
こうすれば急激な値下がりで売りのチャンスを失うことを避けることができます。
当然のことながら、思惑が外れて株価が下がる場合も考えておきましょう。
その場合は、ご自身の損切りルールに従って損失を最小限に食い止めるようにします。
損失リスクは多かれ少なかれ投資信託にもつきものですので、NISAは余裕資金で運用すべきなのですね。
ファイナンシャルプランナー
松田 聡子